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オフィスデータを使いやすい印刷データに変換する上手な方法ってないのかな?

DTP

DTPの仕事をしていると、マイクロソフトのオフィスデータが入稿されることは日常茶飯事ですが、「どうにか上手く変換できないものなのか?」と頭を悩ませることが多々あります。

★基本的にオフィスデータで印刷用のPDFデータを作成する手順としては下記になります

1.オフィスデータを印刷画面より「Adobe PDF」を選びデータ変換
  (※基本的にはアクロバットを使用し、白黒かカラーかを選択し、
   PDF形式などの選択も必要となる。写真は高品質印刷に指定しました)
2.レイアウトの崩れ、文字化け等がないか出来上がったPDFデータを確認
  ※この際フォントは必ず「埋め込みサブセット」になっていることを確認(重要)
   アクロバット上部ファイル→プロパティより確認する
3.インデザインに1で変換したPDFデータをページ順に配置
4.最終的な印刷用データにするために、インデザインより書き出し
  (形式はX-1a・X-4・高品質印刷など)
5.出来上がったPDFデータを最終確認
6.製版へ

印刷用のデータにする場合は先ず、PDFデータに変換する必要があります。
とてもシンプルな文字や表などのデータであれば、ほぼ問題なくデータ通りに変換できると思います。
表に関してはエクセルデータの時は、セルからはみ出している文字がある場合がかなりの頻度でありますので、注意が必要です。
エクセルデータの場合は、操作画面と印刷プレビュー画面で違いがありますので、PDF変換前に印刷プレビューで確認しながら操作をすることをおすすめします。
ワードと違って、文字を揃えたり調整が難しいので、必ず印刷プレビューで確認してください。

チラシ・パンフレット・資料等を作る場合、ワードにある効果機能をやたらと使用して作成してあるデータが多々あります。ドロップシャドーやら、透明加工やら、とにかく色々な機能を使い、加工して作る人・・・。
写真と写真が重なっていて、なおかつ透明機能が使用されていたりとか、こういう場合はかなりやっかいであります。
オフィスデータでは、それがまた簡単に出来てしまうから、印刷屋泣かせだなあと何時も悩みの種になりますね。

先ずPDF変換してみるとドロップシャドーやボカシ、透明効果などがおかしくなってしまったと言うことはよくあります。
無事に問題なく変換できた時は奇跡ですね。その時はラッキーです。

最近やっていて困ったことが、A4両面のチラシだったのですが、ドロップシャドーやボカシ、イラストなどが幾つも重ねてあったり、しかも透明効果が使用されていたりと、変更が来るたびにおかしくなったりと、かなり手こずりました。
ワードデータで作り込んでありましたが、そのデータを作った本人は色々な技を駆使して作ったのだと思いましたが、どうやって作ったかも分からない状態で手直しする時が結構厄介な場合があります。ミスにもつながる恐れがあります。

正直、人により作り方は千差万別です。色々な方法が存在すると思います。
なので修正が来たりするとかえって、いじり壊してしまって悪い状態になってしまうこともありますね。
印刷会社のオペレータよりもそれ以外の職業の方達の方がむしろ、オフィスデータを使いこなしているのは間違いないと思っておりますので、印刷会社の社員よりも技はすごいと思います。

印刷会社ですと指定がないかぎりオフィスデータで作ることはほとんどありませんので、むしろオフィスの勉強をしていない人の場合は印刷会社の製作であっても「操作が分からない」なんてこともよくありました。

私は暗黒の時代を経験しており、「ソフトを買ってもお前らは使いこなせないから買わない!」なんて言い放った上司(ちなみのこの方は編集作業は一切できない方でした)がいて、頁物をワードで作れ!なんて時代がありましたので、マイクロソフトのマウス試験をとったり色々と努力しながら、オフィスデータを覚えましたので、ちょっとなら他の人よりも操作することができました。
ある意味その暗黒の時代があったからこそ、後から入社してきた暗黒の時代を知らない若い連中よりも仕事に活かせたわけであります。
努力して覚えた技術は絶対に裏切りません!

特に効果が多く使用されているデータはPDF変換が要注意です。
私の場合は、先ずは何時ものやり方で変換作業をしてみて、結果がおかしいようなら、今度は変換方法を変えてみてやってみるなど、幾つかの方法を組み合わせながら、PDFデータを作ります。

★トラブルがあった際の変換方法の手順を下記に簡単に説明いたします
 (上記の基本的な手順と重複します)
1.オフィスデータの印刷画面より「Adobe PDF」を選びデータ変換
2.レイアウトの崩れ、文字化け等がないか出来上がったPDFデータを確認
3.ドロップシャドーやボカシなどレイアウトのズレなどがあってあきらかにおかしい場合は、
  違う方法でPDFデータに変換する作戦をとり、印刷画面より「Microsoft Print to PDF」
  PDFに変換してみる
4.それでもなお変換したデータがおかしい場合は、いったん「XPSドキュメント」に別名保存
  してXPSデータを作る
5.4で作成したXPSデータをひらき、上部のファイル→印刷より「Adobe PDF」を選択し、
  PDFに変換する

それでもダメなら、ありとあらゆる操作で何とかします。
バックの画像と文字を分割して後で合成するとか、色々な方法がありますが、正直その時に実際のデータを見てみないと分からないです。
私個人の考え方としては、オフィスデータで修正できることは最大限オリジナルデータで修正します。でもどうしてもオフィスデータ上の操作ではキレイにできないとか操作が分からない、やりずらい時はAdobeのソフトを使用するようにしています。
もっとオフィスデータでも細かな操作ができれば良いのですが、そこまで作り込めないのが、もどかしいかぎりです。

色々なデータを扱っておりますと、「Adobe PDF」での変換、「Microsoft Print to PDF」での変換では、同じPDFデータでもイラストレーターで開いた時に全く違うデータに変換されていると言うことに気づき驚かされます。
「Adobe PDF」での変換での場合は、とにかく細かくパスになるというか、ドロップシャドウなども画像になってしまい、パーツが分割してしまい、扱いにくいデータになってしまいました。
それに比べ「Microsoft Print to PDF」の方はそれほどパスが細かくなるわけでもなかったので、最近やったチラシでは「Microsoft Print to PDF」で変換したPDFを使用しました。パワーポイントでバックに画像が入っていたり、ドロップシャドウ、ボカシとか機能が盛りだくさん使用されていたので、本当に苦労しました。バックの画像とドロップシャドウとボカシがうまく変換できなかったので、バックの画像をパワーポイントデータの段階で削除してPDFを作り、後でバックの画像をイラストレーターで合成しました。なかなか骨の折れる作業でございます。これもまた「直ぐに進めろ!」とのボスの命令でございまして、ヒヤヒヤしながら、作業いたしました。急げと言われても、変換が難しすぎて辛かったです。間違うのは絶対に嫌ですものね。

難題のデータを抱えている時に限って、急ぎの物件だったりします。
「急いですぐに印刷まわして!」とか。言われるともう怖いです。データが思うように変換できれば、操作自体は簡単なのですが、もうドツボにハマってしまった時は、時間がいくらあっても足りません。
「もう助けて~‼」と叫びたい時はいくらでもあります。といっても誰も助けてはくれないので、自分の技術と頭をフル回転し、焦りながら早く正確に作業をやりこなすのみであります。この商売本当に辛いですよね。

そこでミスを防ぐ意味でも、入稿時にお客様にお願いしたいことがあります。
最低限お客様のマシンで作成したPDFデータでもかまいませんので、見本をいただきたいです。
私のマシンや印刷会社でのマシンですと一言で言うと環境が違いますので、文字バケや体裁が崩れてしまう可能性が大きいです。
その為、印刷データが正しいのか、間違っているのか比較できる材料が欲しいと言うことになります。
書体がないケースも多くあります。その場合は要相談です。
校正がなく責任校正で印刷へ進める時などは、特にお願いしたい要望です。

私の普段の作業の順番を簡単にまとめてみましたが、オフィスデータのPDF変換などの参考にしていただければ幸いです。